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うちのホームページはどうなっているんだ!

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うちのホームページはどーなってるんだ!

Vol.019                       発行/2003.05.02
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▼ 入口ページの生かし方
                             筆者/石井研二

100ページあるサイトなら、80ページは入口になっている。ところが、大半は
「入口になる」と思って作られていないために、多くの来訪者を追い返してしまっ
ている。

そんなお話をこれまで書いてきました。1つのキーワードで毎月1000人ずつや
ってくる、というのはすごいことですが、そのうち900人が入口ページだけを見
て帰っているというのはこれまたすごいことです。

これはしかも珍しいことではないのです。そんなキーワードが1つのサイトに10
ぐらいずつあるって怖くないですか? 10000人来て9000人帰るサイト。
やってられませんね。効果なんて考える前のお話です。


入口ページを生かしましょう。キーワード検索から来ている人がトップページ以外
のページへダイレクトにアクセスするということは、

1)来訪者自身のニーズに従って訪れているので、情報を受け入れやすい
2)漫然とボタンを押して訪れた人より、ページの文字をよく読む
3)トップページよりも商品情報に近い場所に訪れるので、移動させやすい
4)トップページと違って1ページに詰め込む情報量が少ないので
  リンクボタンの設置がしやすい

といったさまざまな利点があるのです。


■ 生きた入口、死んだ入口

例えば、「美味しいイカの花丸鮮魚商会」がホームページを作っていて、あなたが
そのウェブマスターだとしますね。

あなたのサイトにはイカを使ったさまざまなレシピが載っています。前回書いたよ
うに、レシピサイトというのは非常に入口になりやすいコーナーなのです。


● 別窓

ところが、これが入口になるなんて誰も思ってなくて、最後のところで「イカスミ
のスパゲティー」をクリックすると、別窓が開いてその料理のレシピが出てくる、
といった方式が多くなります。

これなら、別窓を閉じればまた料理一覧の窓に戻ってもらいやすい、というのが理
由です。

しかし、それは間違いです。料理一覧を見ている来訪者は、すでに数ページを閲覧
してここにたどり着いていて、1人の来訪者は6ページ〜8ページしか見ませんか
ら、たいていの来訪者はあと1,2ページしか見る余裕がなかったりするのです。
結果、1人の人は1度に2つぐらいのレシピしか見ません。

晩ご飯のおかずを決めるのに困って訪れた人が、そんな次々にレシピを見ると思い
ますか?

しかも、別窓を閉じるCLOSEボタンはページの一番下にしかついていなかった
りして、別窓を閉じるより、ブラウザの「戻る」ボタンで一覧に戻るほうが、来訪
者は慣れていて簡単だったりするのです。


別窓のレシピは、サーチエンジンで紹介された場合、来訪者は他のページに行く方
法がなくなります。死んだ入口ページの典型です。

特に、JavaScriptで別窓を実現していると、サーチエンジンが別窓を認識できず、
圧倒的にアクセスが少なくなります。

素晴らしい入口コンテンツ(レシピや用語集)は別窓にしないことです。


● ページタイトルの不備

概念の抽象度、という考えがあります。情報を探すときに、あまり抽象度の高い言
葉では検索しません。ところが、情報発信側の企業は、抽象度の高い言葉の方を大
切にしていることが多いのです。

「暮らし」「住まい」という言葉で検索する人は少ないが、企業はそういう言葉を
大切にする。実際に検索されているのは「カーテン」「アルミサッシ」だったりす
るのです。

企業は「住まいの豆知識」といった抽象的なコーナータイトルを関連する全ページ
に入れたがります。そのために「カーテン」で検索している人が来ない、という悲
劇を繰り返しています。

イカの例に戻ると、「イカスミのスパゲティー」のページなのに、「美味しいイカ
料理百選」なんて、他のページと同じ文言を入れたがります。制作会社も、面倒な
ので特に指示がないと同じ言葉でたくさんのページを複写制作してしまいます。

検索者の脳裏を想像してください。「前に食べたイカスミのスパゲティ、美味しか
ったよなあ」→「うちでも作れるかな」→「イカスミってどう調理するのか全然知
らんぞ」の順番で検索に入るのです。

決して、「イカ料理が食べたい」のではないのです。いや、そういう場合もあるで
しょうが、入口を生かすにはそこを疑わないといけません。Googleで「イカスミ」
で検索すると、「イカ」はヒットしないのです。検索者の使うキーワードの方が長
い場合、短い言葉はヒットしないのが基本です。

例外的に、「コンピューター」で検索すると「コンピュータ」がヒットします。
「センサー」で「センサ」がヒットするなど、いくつかはGoogleがフォローしてく
れています。「スパゲッティ」で「スパゲティ」はOK。

しかし、「ダンサー」で「ダンサ」はひっかかりません。上下動する機械パーツを
慣例的に「ダンサ」と表記することがありますが、これは「ダンサー」で検索され
たら終わりです。



もっと厳密に、科学的にビジネスを考えるなら、

「イカの料理で思いつくものを挙げてください」というアンケート調査をやってお
いて、想起性の高さを調べておきます。

そこで上がった料理名が100あれば、全部をキーワードにして、Googleで検索し
てみます。全体のヒット数がいくらあり、上位に表示されているのはどんなサイト
か見てみます。

それで、各料理がどれぐらいのマインドポジションを占めているかが、だいたい分
かりますから、それに基づいて、ページにしていく料理の優先順位を決めます。

「男性は和風のイカ料理」「40代女性が地中海風の料理をあげている」みたいなア
ンケート結果を見ておきましょう。こうしたところから、

「イカ」という大きなジャストキーワード
「和食」「地中海料理」といったジャンルワード
「イカスミのスパゲティー」という小さなジャストキーワード

という3レベルのキーワード分布をとらえ、それぞれどれぐらいの力を入れれば良
いかを判定、予算上可能な全体ページ数から割り振り、ページ数を配分します。

その結果、「イカの地中海料理 || イカスミのスパゲティ」というコンテンツが決
まり、ページタイトルが決まるのです。


その他、あるページが入口になりにくい理由は、

● 料理名等の大切な文言の画像化
● 長いヘッダ(ナビゲーションの画像がマウスオーバーで色が変わる演出などの
  ために、HTMLヘッダに長いJavaScriptが書かれている等)

などがあります。


■ イカスミのスパゲティのページの生かし方

さて、こうしたことに気をつけて、非常に多くの人が「イカスミ スパゲティ」な
んてキーワードで検索してくれる入口ページが作りだされます。

ところが、イカスミスパゲティのレシピを見て、満足して帰る人が多いのは困った
ことです。

どうしてあなたの会社のサイトでは「イカ料理百選」というコンテンツを作ってい
るのでしょう? イカの利用促進、食べたいと思ってイカを買ってくれることでし
ょう。できればあなたの会社のイカを買ってほしいですよね。

あなたのイカが一種のコモディティで、スーパーでしか買えないものなら、スーパ
ーの名前を紹介しましょう。「このチェーンに行けば手に入る」なら、説明は簡単
です。

もしあなたのイカが素晴らしすぎて大手チェーンには卸していないものなら、ネッ
トで売りましょう。

いずれにしても、イカスミのレシピだけを教えても仕方がありません。「イカの消
費量さえ底上げできれば満足」というなら良いのですが、そうではないですよね。


そこで、イカスミのスパゲティのページから、次のどこかへ移動してもらい、より
あなたの商売に結びつくページを表示してもらわねばなりません。

例えば「イカスミのスパゲティ」のレシピが見つかって喜んでくれた来訪者には、

▼ イカスミの下ごしらえ プロのコツはこちら

というボタンがあれば、もっと実際に使ってもらえるのではありませんか?


▼ 良いイカスミの見分け方/入手方法

というボタンも有効です。ぐっとあなたのビジネスに近づきました。しかも、来訪
者の気持ちに背いていません。

× ▼ 花丸のイカ購入ページはこちら

では、嫌ですね。この勘所は、私が書くよりも、御社内ですぐに分かるはずです。
何しろ、これまで多くの人に売ってこられたのですから。店頭で、多くの社員が、
買い物客と「イカスミ、好きだけど、どうやって下ごしらえしたらいいのか知らな
いのよ」「簡単ですよ」なんて受け答えを重ねてきているのですから。


こうして、店頭で顧客と話すように、ホームページはそのページに即した提案ボタ
ンを持つことによって、入口ページとして生きてくるわけです。

来訪者の気持ちを受け、来訪者も見たいと思い、こちらは見せたいと思う情報へ。
そこを取り持つ言葉は何か。


■ グローバルナビゲーションの功罪

それを邪魔するのが、「グローバルナビゲーション」です。もうあちこちで、私は
「グローバルナビゲーションだけに頼っちゃだめですよ」と書いてきましたが、ま
だまだ制作会社さんに正しい認識が広がらないので、何回でも強調します。

グローバルナビゲーションとは、全部のページに登場するコーナー移動ボタン類の
ことです。

「商品紹介」「イカ料理百選」「コラム」「会社案内」「採用情報」
「オンラインショップ」「お取引先様」「サイトマップ」「トップ」

なんてボタン類ですね。まだイカのお話です。


先ほどの

1)▼ イカスミの下ごしらえ プロのコツはこちら
2)▼ 良いイカスミの見分け方/入手方法
3)▼ 花丸のイカ購入ページはこちら

という3つのボタンがありました。

このうち(3)の購入ページというのは、きっと「オンラインショップ」というグ
ローバルナビゲーション上のボタンを押すことでOKですね。

ところが、(1)のボタンを押した先のページは、「イカ料理百選」の中かもしれ
ませんし、「コラム」の中かもしれません。(2)の先のページが「商品紹介」の
中にあってもそれは来訪者には分からないことです。


つまり、グローバルナビゲーションに移動を任せてしまうと、「イカスミのスパゲ
ティ」を見た来訪者は関連ページを見られないのです。少なくともたどり着くまで
に数クリックを要するわけです。

各ページのリンクと、グローバルナビゲーションのリンクは、役割分担です。大き
な移動にはグローバルナビゲーションが便利。見たページで関心を持った項目につ
いて、関連をたどるなら、直接リンクが便利。どちらか一方だけ使うというのは良
いことではありません。

特にキーワード検索でサイトを訪れた人はせっかちです。直接有益な情報に飛びた
いから、検索しているのです。そのページを読んで、そこで浮かぶ関連情報への欲
求を満たすのに、グローバルナビゲーションは迂遠過ぎます。

改めてサイト内で検索させるなんて、来訪者に負担をかけるだけです。

せっかくキーワード検索をしてきたのに、またサイトで「イカスミ」なんて言葉を
入れさせるなんて想像もできません。よほどのブランド企業でなければ、来訪者は
その通りには動いてくれないでしょう。


■ 実際のホームページ運営のプロセス

レシピのお話から少し離れましょう。

御社のホームページが500ページあるとしましょう。調べてみればきっと、その
うち400ページぐらいが何らかの形で入口になっているはずです。

もちろん対策をたてる優先順位はありますから、トップページを軽視しろというこ
とではありません。優先順位の決め方は次のいくつかの論理の組み合わせです。

1)入口になった回数の多いページから、順に対策していく
2)購入ページに近いページなど、重視するページ順に対策
3)重要なキーワードで入口になっているページから対策
4)新たに入口になりやすいコンテンツを作って、最初から対策

4番はちょっと違ったアプローチですが、意外に有効です。ログ解析をやって、実
際に使われているキーワード、もっと使われたいキーワードをリストアップし、そ
れでどんなコンテンツを作ればいいか考えるのです。ゼロからの作成の方が、楽に
キーワードを埋め込めるので、対処が早かったりします。


例えば神戸で、地域の顧客を対象に商品を売っている会社があるとして、「神戸」
という言葉で検索できないサイト、というのは、それだけ聞くと笑うかもしれませ
んが、非常に多いのです。

マンション販売のサイトなどで、地域に密着した優れたビジネスをしておられるの
に、サイトの方は地名で検索すると全く現れないといった状態です。

神戸の人に、神戸と言っても仕方がないかもしれません。別にそんなローカライズ
した商品ではないでしょう。マンションなんかも、どこへ持っていっても優れた商
品だし、別に神戸と断らなくても...、という感じもあるかもしれません。

しかし、神戸に住みたい人は「マンション 神戸」と検索して情報を選別しようと
するのです。日本中の素晴らしいマンション情報を見ても、その人にとっては意味
がないからです。


そうした重要なワードが、サイトに抜け落ちていることは珍しくありません。そう
した場合、「神戸でマンションに暮らすということ」というコンテンツを作って、
生活者のインタビューや、地元情報誌と協力したコラムなどを随時追加していけば
非常に強力な入口コンテンツが作れるでしょう。


さて、新しいコンテンツを制作会社に発注するとしましょう。

発注時の注意点は、

1)キーワードリストを渡し、「これらのキーワードで検索されること」を条件に
  すること。
2)どのページに、どんな情報へのリンクを設置したいかを示唆すること。
3)原稿時点で(リンクタグ)と(太字タグ)を書くこと。

などを指示しましょう。


3番目は検索などに向けた準備で、ライターさんに重視する言葉を明確に分かって
もらうためには大切な指示です。Googleなどのサーチエンジンは、タグのつい
たリンク文言を重視しますし、<B>タグなどで強調された文言も重視されます。

このあたりを分かってくれるライターさんも増えてきました。また、この指示があ
れば、デザイナーがこれを画像にしてしまうことも減るでしょう。

1のキーワードリストは、先に作成して制作会社に渡しましょう。作成の意図を伝
えるためにも重要な作業です。制作会社がホームページに詳しいベテランでも、御
社のビジネスには精通していないでしょうから、本当に有効なキーワードを考える
のは難しいのです。

大切なキーワードとは、ホームページ知識で考えるのではなく、自分の商売にフィ
ットして考えるものなのです。


2番目が、多くの方が「難しい」とおっしゃるポイントです。

どの情報からどこへリンクしたいか。最近、ホームページ制作の仕事で、その指示
がクライアントから来ることが減りました。昔、95年とか96年当時、企業さん
はけっこう指示書の中にこれを書いておられたものです。

この当時のウェブマスターが優れていた、というのではありません。

当時、ハイパーテキストとは、そういうものだったのです。グローバルナビゲーシ
ョンがなかったために、このページからどのページへリンクするか、いちいち考え
なければページがつながらなかったのです。

あらゆるページは別のページのための目次でした。今は、グローバルナビゲーショ
ンがそれをやってしまうので、制作会社はナビだけ打ちあわせれば、何ページでも
作成ですることができます。

グローバルナビゲーションを作成して、あとは中身を入れ替えるだけでどんどん作
成できます。


それだけ手軽にサイトが作れるようになったのですから、もっと中身のことを考え
たいものです。

もう一度、この「中身からのリンク」を見直しましょう。最終的に、それで来訪者
が自分の見たい情報を串刺しにして読み進むことができ、そのおかげで企業側も、
見てほしいページを巡回してもらうことができるのです。


入口を生かすには、どのページをどんなニーズのための入口とするか、はっきりす
ることです。そこからどんな提案ボタンをつけ、どのページに移動してもらえば、
来訪者のニーズに応えることができ、企業側の見てほしいページに無理なく近づけ
ることができるのか。

これが勝負なのです。

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入口を生かす、というのは普通の店頭接客に似ています。

来訪者はふらっと店に入ってきたお客さんのような存在で、
何がほしいのか分かりませんが、店員さんは表情を読んだり、
視線を追ったり、タイミングを見て声をかけたりして
その方が何を求めておられるか、知ろうとします。

質問を引き出し、あるいは商品を提案してみることで反応を探るでしょう。

いわゆるオンラインショップでなくても、
そうしたコミュニケーションができる、お客の息が分かるサイトに
ならなければなりません。良い店員に負けないウェブ。

それが効果の高いウェブなのです。


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【筆者プロフィール】
石井研二(いしい・けんじ) 61年生まれ。有限会社いなかどっとコム代表。
95年から企業ウェブ構築/リニューアル、効果分析で実績を残す。
新製品『ライバルキーワード分析 クロールキャスト』では
正しいSEOのためのプロセスを提供している。
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